馬脚チラリズム

馬脚チラリズム

セクマイ的感想文置き場。本とか本じゃないものとか。

女子

小野ハルカ 『桐生先生は恋愛がわからない。』 小学館

まったく読む気のおこらないラノベ風タイトルのせいで萌え系とかハーレム系とかの恋愛漫画かと思ってたら、まさかの王道ハーレムに疑義を呈するAセク漫画だった! 主人公は生れてこのかた恋愛感情を抱いたことも恋にあこがれたこともない人。 アセクシャルか…

サザエさんのちバリバラ

成人の日まえの昨日、ひさしぶりに「サザエさん」を見た。 クリーニング屋の孝行娘が自分の成人式そっちのけで店の手伝いをしていて、父親である店主は本当は晴れ姿がみたいと思っている。それを聞いたイソノさんちが協力して晴れ姿をみせてあげるのも親孝行…

室生犀星『舌を噛み切った女 またはすて姫』新潮文庫

室生犀星の時代物短編小説。 芥川の平安ものとか坂口安吾の『桜の森の満開の下』とか、あの辺の雰囲気。 山賊の中で育った女が都の女と出会う。 なんとなーく雪の女王の山賊の娘を連想した。 あのこが悲しく大人になっちゃったようなお話。 野郎ども、とくに…

リンダ・ハーン『王さまと王さま』ポット出版

王子様とお姫様がしあわせになる話しかないのは教育上よろしくないよね。ということで作られたオランダの絵本。 王さまと王さま 作者: リンダハーン,スターンナイランド,Stern Nijland,Linda de Haan,Andrea Germer,アンドレアゲルマー,眞野豊 出版社/メーカ…

東小雪『なかったことにしたくない 実父から性虐待を受けた私の告白』講談社

『ふたりのママからきみたちへ』の筆者のひとり、東小雪さんの手記。 ということだけで手に取ったら大変だった。 でも納得もした。 こういう経験をして、乗り越えてきた人だからこれだけ考えられるんだろうとか、そういう部分で。 セクマイの本棚にいれるか…

東小雪+増原裕子 『ふたりのママから、きみたちへ』 よりみちパン!セ

子供を生み育てることを検討中のレズビアンカップルが書いた「レズビアンとは」の本。 それだけでなく、マイノリティとして生きる、みんなが生きやすい多様な世界のための本でもある。 セクシュアリティのことも、セクシュアリティだけじゃない生きにくさの…

堀江有里『「レズビアン」という生き方―キリスト教の異性愛主義を問う』 新教出版社

牧師でレズビアンの著者が語る日本の今のキリスト教会内の異性愛主義。 キリスト教という宗教の中の、ではなく日本のキリスト教会という団体内の話。 なんか宗教上どうのっていうより保守というか躾のなってないおっさんに牛耳られた団体ゆえの問題、という…

岩下久美子『おひとりさま』中央公論新社

今時な意味での「おひとりさま」という言葉は、「ひとりみを楽しむ女性のこと」とかいう 定義になってしまっている。 だけど最初に言い出した人は、 まさに「おひとりさま」をできないことに抗議の声をあげていた。 たぶんこれ↓ おひとりさま 作者: 岩下久美…

壺を買わないと不幸になります的な広告

近頃よく見にいくサイトで表示されるようになったDHCの広告が、悪い意味で非常によく目に付く。目に付くってか目障り。 特に目障りなのがやせるサプリメントだの美脚タイツだのの広告。 「短期で激ヤセ!?」「五日間からやせよう♪」などのギリギリ訴えら…

桐野夏生『グロテスク』

天上には蛍光灯が埋まっていて、あたしの顔色を青く冴えなくする。だから、いつも赤い口紅を塗っていなくてはいけない。口紅とバランスを取るために、アイシャドウも青く。そうなると目と口だけが目立つから、眉も濃く描かなくてはバランスが取れない。どん…