馬脚チラリズム

馬脚チラリズム

セクマイ的感想文置き場。本とか本じゃないものとか。

ノンフィクション

セクシュアリティの多様性を踏みにじる暴力と虐待―差別と沈黙のはざまで (アムネスティ・ジェンダーレポート)

好きな服を着るとか、好きな言葉づかいでしゃべるとか、好きな人と双方合意の上でつきあうとか、そんな「罪」をおかした人たちがどんな目に合わされたのかをつづったリポート。 差別なんてないよとか言ってる人や事情がわかっていない人にこそ読ませたい。ヘ…

志村真介『暗闇から世界が変わる ダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパンの挑戦』講談社現代新書

真の暗闇を体験するドイツ発祥のイベント、ダイアログインザダーク(DID)の日本版を主催した人の手記。 良いのはイベント自体への興味がわくこと。行きたい。もっと知りたい。悪いのは著者のマジョリティぶり。自分が知らないだけのことを「知られていない…

少年アヤ『少年アヤちゃん焦心日記』河出書房新社

アイドルにはまってて占いに依存して物質依存でオカマで機能不全家庭出身でアート系?で物書き?で……と、いろいろ濃いアヤちゃんの日記。 日記という体裁のエッセイとか評論とも見える。 ジェンダーとかアイデンティティとかマジョリティの鈍さとかの傷がわ…

中村安希『リオとタケル』集英社インターナショナル

アメリカで成功を収めた演劇デザイナーカップルのノンフィクション(プライバシー保護のためフェイクあり)。 タケルは24歳で渡米した1949年生まれの日本人、リオは1953年ワシントン生まれの白人。 1976年に出会ってからずっと一緒に生きてきた。 著者はふた…

パトリック・ジョセフ・リネハン『夫夫円満』東洋経済新報社

大阪・神戸アメリカ総領事館総領事(2011-2014)のパトリックと、その夫エマーソンの夫夫の半生記。 生まれも育ちも年齢も違うふたりの愛と、ゲイライツが主題。 文化的背景や感覚が私とは違うから違和感があったり、ふたりともゲイだからゲイ以外には疎いよ…

スーザン・クークリン『カラフルなぼくら』ポプラ社

アメリカで暮らす十代のトランスジェンダー六人へのインタビューをまとめた本。 トランスなのに副題がLGBTなのは、TのLとGとB(とI)の子たちの話だから。 他国の十代の生き様や考えを知ることができる良書。 語られるのはトランスの話だけど、この子たちが…

東小雪『なかったことにしたくない 実父から性虐待を受けた私の告白』講談社

『ふたりのママからきみたちへ』の筆者のひとり、東小雪さんの手記。 ということだけで手に取ったら大変だった。 でも納得もした。 こういう経験をして、乗り越えてきた人だからこれだけ考えられるんだろうとか、そういう部分で。 セクマイの本棚にいれるか…

セクマイ向け公立高校のドキュメンタリー

NHKに世界のドキュメンタリーという番組があります。 その名のとおり、海外のドキュメンタリーを放送する枠。 そんでとりあえずこれは!これだけは書いておかねば!と思った。 <シリーズ 世界に生きる子どもたち> 告白・カミングアウト 去年アメリカで、ボ…

清水尚『All we need is Love』講談社

アメリカの(?)同性カップルとその子どもたちの写真集。 食事をしたり、テレビを見たり、おもちゃで遊んだり、プールに入ったり、ひなたぼっこをしたりする、普段暮らしている場所での家族の風景。 なんかもう、すっごいにやにやする。 裕福そうな白人男性…

ビッグイシュー152号

わりと近くで売っているのに、タイミングが合わなくて買えずにいたビックイシュー152号をやっと買った。10月1日発売の分。 ちなみに1日と15日の月2回発行だけど、販売員さんに言えばバックナンバーも売ってもらえるみたいです。 152号はムーミンの作者、トー…

三井マリ子『ノルウェーを変えた髭のノラ』明石書店

本に、ノルウェーのクウォータ制について書かれていた。 クウォータ制というのは、 ある場所にいる人の属性の比率が不平等によって偏っているなら それを是正するよう義務付けましょうという制度。 たとえば国会議員が男性ばかりだから女性議員を○%以上にし…

砂川秀樹『カミングアウト・レターズ』太郎次郎社エディタス

近くから「結婚しろ」とか「家族は必要だよね」的なことを言われました。 しにたいです。 そういえばカミングアウトレターズを読みました。 2年くらい前に。 感想書こうと思ってメモをしたのにそのまま忘れてました… カミングアウト・レターズ 作者: 砂川秀…

「<境界を生きる>性分化疾患」

毎日新聞でインターセックスにスポットライトをあてる記事が出ている。 世界陸上で人身御供がでたおかげで注目され始めたらしい。 以前にもオリンピックでメダル剥奪とかあったらしいけど。 なんにしても認識されるのは(されないよりは)良いことだ。 で、…