馬脚チラリズム

馬脚チラリズム

セクマイ的感想文置き場。本とか本じゃないものとか。

子供向け

エリナー・ファージョン 『ガラスのくつ』 岩波書店

ファージョンのシンデレラ。ディズニーみたいなひらひらした仕草でくるくる動く絵が浮かぶ。生き生きとしたキャラクターと美しい文章。キャラクターが、素敵なのもろくでもないのも人間くさくて楽しい。でもセクマイ読みなのでメインストーリーは置いといて…

サザエさんのちバリバラ

成人の日まえの昨日、ひさしぶりに「サザエさん」を見た。 クリーニング屋の孝行娘が自分の成人式そっちのけで店の手伝いをしていて、父親である店主は本当は晴れ姿がみたいと思っている。それを聞いたイソノさんちが協力して晴れ姿をみせてあげるのも親孝行…

みんなのみんなのうた

テレビをつけたら「みんなのうた」が流れてた。 なんだかすごく耳に残った。 絵と歌詞にセクマイセンサーが反応した。 「ドミソはハーモニー」という曲らしい。 かわいい。 ちらっとしか聞けなかったんだけど、多様性っぽいテーマだった気がする。 みんな違…

リンダ・ハーン『王さまと王さま』ポット出版

王子様とお姫様がしあわせになる話しかないのは教育上よろしくないよね。ということで作られたオランダの絵本。 王さまと王さま 作者: リンダハーン,スターンナイランド,Stern Nijland,Linda de Haan,Andrea Germer,アンドレアゲルマー,眞野豊 出版社/メーカ…

J.K.ローリング 『ハリー・ポッターと死の秘宝』 静山社

ハリーポッター最終巻。つらいシーンや苦しい状況が目白押しだけど、ここにたどりつくための七年だと納得のいく決着だった。 この巻の序盤は、シリーズ中盤からどんどん増していく重さの最高潮だから、きつい。現実世界のそうだった過去や、そうなりかねない…

J.K.ローリング 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』 静山社

ハリーポッター六年目。おっもいなー。どんどん重くなっていく。 いやがる奴隷の意志を無視して力で無理矢理従わせる役を主人公サイドに持ってきたり、悪い人じゃないけど保身が大事とか、悪い人だけど(自分の)家族は大事とか、この期に及んでまた難しいテ…

J.K.ローリング 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』 静山社

ハリーポッター五年目。過去あり大きな動きありでもりだくさん。早足のウサギたちが転びまくり、着実にすすんできたカメたちのかっこよさに(読み手が)救われる巻。老いも若きも男子は危機的傾向。女子たくましい。 きっとここは物語の中ですごく重要な時期…

J.K.ローリング 『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』 静山社

ハリーポッター三年目。両親の過去が少しずつ見えてくる。庇護者が万能でないことに気づく成長期。 最初の方でハーマイオニーの誕生日にちらりと触れるセリフがあった。そういえばハリーがもらうシーンはたっぷりあるけれど、あげるシーンはほとんどない。プ…

J.K.ローリング 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』 静山社

ハリーポッターシリーズ、二年目。差別や違いのテーマが更に鮮明。 「特別なハリー」の葛藤が、周囲の反応への戸惑いから自分自身への疑問にシフトしてきた。そうであるからといって、必ずしもそうならなくてもいい。という部分に泣きたくなる。昔は気づかな…

J.K.ローリング 『ハリー・ポッターと賢者の石』 静山社

昔一度読んだきりだけど最近の再燃を見ていたら読みたくなった。記憶通りに面白い、優良な児童書。居場所のない子供がみいだされて居場所をみつける王道の一巻は確実に安心して読める。 自分が大人になって、著者のLGBTフレンドリーな姿勢を知った上で読むと…

オスカー・ワイルド『幸福な王子』新潮文庫

「幸福な王子」はオスカー・ワイルドの有名な童話。 西村孝次翻訳の新潮文庫で読んだ。キラキラした銅像の王子に頼まれて、ツバメが越冬をずるずる先送りしながら王子の身ぐるみを剥いで貧乏人に配ってまわる、緩慢な自殺幇助みたいな話。 素直に本を読んで…

デイヴィッド・ウォリアムズ『ドレスを着た男子』福音館書店

綺麗なお洋服が好きな男子が綺麗なお洋服が好きな女子と出会う。女子の提案(というか軽い悪ふざけ)で男子は女の子の服を着てみる。 そんな児童書。 いい意味でも悪い意味でもマイノリティ性が軽い。 誰もが持つ当たり前の人と違う部分、という軽やかさと、…

ジブリ×アリエッティ≠メアリー・ノートン

テレビをつけたらアリエッティのCMをやっていた。 恋がどうとかってナレーションがついていた。 …うん、まあジブリだし… そういえば公開されたときにあれが恋物語になっちゃったら嫌だなあと思ったんだった。 子供の頃メアリー・ノートンが大好きで小人たち…

ルースマニング=サンダーズ 『魔女の本』

子供のころ大好きだった、テーマ別民話選集。 復刊ドットコムありがとう!これは一番好きだった魔女の本。 あれ、魔女わるくないよな?どっちかってぇと主人公たちがひどいのが多いよな?魔女の話はかなしい。昔はわくわくするだけで良かったのに、今は魔女…

『タンタンタンゴはパパふたり』

動物園のペンギンが主役の、実際にあった話をもとにした絵本。 放棄された卵をオス同士のつがいにあてがってみたら無事に育てたよ。という話。 翻訳はオープンなレズビアンとして初めて府議になった尾辻かな子さん。 同性カップルも育児放棄もそれを拾う養い…