馬脚チラリズム

馬脚チラリズム

セクマイ的感想文置き場。本とか本じゃないものとか。

その他マイノリティ

志村真介『暗闇から世界が変わる ダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパンの挑戦』講談社現代新書

真の暗闇を体験するドイツ発祥のイベント、ダイアログインザダーク(DID)の日本版を主催した人の手記。 良いのはイベント自体への興味がわくこと。行きたい。もっと知りたい。悪いのは著者のマジョリティぶり。自分が知らないだけのことを「知られていない…

J.K.ローリング 『ハリー・ポッターと死の秘宝』 静山社

ハリーポッター最終巻。つらいシーンや苦しい状況が目白押しだけど、ここにたどりつくための七年だと納得のいく決着だった。 この巻の序盤は、シリーズ中盤からどんどん増していく重さの最高潮だから、きつい。現実世界のそうだった過去や、そうなりかねない…

J.K.ローリング 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』 静山社

ハリーポッター六年目。おっもいなー。どんどん重くなっていく。 いやがる奴隷の意志を無視して力で無理矢理従わせる役を主人公サイドに持ってきたり、悪い人じゃないけど保身が大事とか、悪い人だけど(自分の)家族は大事とか、この期に及んでまた難しいテ…

J.K.ローリング 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』 静山社

ハリーポッター五年目。過去あり大きな動きありでもりだくさん。早足のウサギたちが転びまくり、着実にすすんできたカメたちのかっこよさに(読み手が)救われる巻。老いも若きも男子は危機的傾向。女子たくましい。 きっとここは物語の中ですごく重要な時期…

J.K.ローリング 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』 静山社

ハリーポッター四年目。時代の恐ろしさがいよいよ過去だけのものではなくなってくる。こわいものから目をそらしてはいけない。 発売当時はこの巻まで読んだ。先に進まなかったのは、思春期アレルギーと、ファンタジーに重さを求めていなかったのが原因。と、…

J.K.ローリング 『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』 静山社

ハリーポッター三年目。両親の過去が少しずつ見えてくる。庇護者が万能でないことに気づく成長期。 最初の方でハーマイオニーの誕生日にちらりと触れるセリフがあった。そういえばハリーがもらうシーンはたっぷりあるけれど、あげるシーンはほとんどない。プ…

J.K.ローリング 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』 静山社

ハリーポッターシリーズ、二年目。差別や違いのテーマが更に鮮明。 「特別なハリー」の葛藤が、周囲の反応への戸惑いから自分自身への疑問にシフトしてきた。そうであるからといって、必ずしもそうならなくてもいい。という部分に泣きたくなる。昔は気づかな…

J.K.ローリング 『ハリー・ポッターと賢者の石』 静山社

昔一度読んだきりだけど最近の再燃を見ていたら読みたくなった。記憶通りに面白い、優良な児童書。居場所のない子供がみいだされて居場所をみつける王道の一巻は確実に安心して読める。 自分が大人になって、著者のLGBTフレンドリーな姿勢を知った上で読むと…

堀江有里『「レズビアン」という生き方―キリスト教の異性愛主義を問う』 新教出版社

牧師でレズビアンの著者が語る日本の今のキリスト教会内の異性愛主義。 キリスト教という宗教の中の、ではなく日本のキリスト教会という団体内の話。 なんか宗教上どうのっていうより保守というか躾のなってないおっさんに牛耳られた団体ゆえの問題、という…