馬脚チラリズム

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セクマイ的感想文置き場。本とか本じゃないものとか。

岩下久美子『おひとりさま』中央公論新社

今時な意味での「おひとりさま」という言葉は、「ひとりみを楽しむ女性のこと」とかいう 定義になってしまっている。

だけど最初に言い出した人は、 まさに「おひとりさま」をできないことに抗議の声をあげていた。

たぶんこれ↓

おひとりさま

おひとりさま

 

 

ここで例示された「おひとりさまをできない」とはつまり以下のような話。

・ 女が一人旅をしたら自殺するんじゃないかと怪しまれる

・ 映画館やバーにいくとナンパ待ちだと思い込んだウザい虫が寄ってくる

・ 寿司屋で嫌な顔をされる

 

女だって普通に一人歩きを楽しみたいんだよ、いちいち「え、おひとりさま…ですか?」ってすんなよ、気持ちよく「はい、おひとりさまですね」って対応してくれよ。

という内容だった。

が、いまだに「女のひとりは悲惨でさみしくて、男のひとりは嘲笑の対象。 ついでに男女ふたりはカップルで男男・女女はおともだち。ひとりで楽しむなんて発想は想像の埒外」な感覚にちょくちょくでくわす。

残念なことだ。