J.K.ローリング 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』 静山社
ハリーポッター六年目。
おっもいなー。どんどん重くなっていく。
いやがる奴隷の意志を無視して力で無理矢理従わせる役を主人公サイドに持ってきたり、
悪い人じゃないけど保身が大事とか、
悪い人だけど(自分の)家族は大事とか、
この期に及んでまた難しいテーマをどんどこつっこんでくる。
被差別グループのひとつ、狼人間の描き方もそのひとつ。
暗い時代にありがちな護符ビジネスの中で、狼人間は当然のように「襲ってくる化け物」にカウントされる。
そんな扱いを受ける狼人間がまっとうに生きられるはずもなく、怒りを抱えてあつまったものたちは反社会的グループを形成する。
その怒りの言葉の前に理性的な呼びかけは無力で、解決法はしめされない。
それでも時々はさまれるほっとできるシーンで、どんな状況でも笑うことを手放さないでいられるしそうすべきなんだってことを思い出す。
なんかもう、続きがどうなるかわかんない。
予測できないというより、どんな予想もありうる。
最悪と最良のパターンの、どちらもありそうに思える。
完全に正しい人も、すべてを理解する人も、誰にも負けない人も、絶対に間違えない人も、完璧な解決もない。
この本の世界には(本の外と同様に)100%なんてないから、なにが起こってもおかしくない。
全七巻だから六巻までは決着はつかないはず、くらいしか確実な予想ができない。
続きをすぐに読みたいんだけど読み終えてしまうのが名残惜しい。
シリーズ感想
ハリー・ポッターと謎のプリンス ハリー・ポッターシリーズ第六巻 上下巻2冊セット (6)
- 作者: J. K.ローリング,J. K. Rowling,松岡佑子
- 出版社/メーカー: 静山社
- 発売日: 2006/05/17
- メディア: ハードカバー
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