西村賢太『どうで死ぬ身の一踊り』講談社
電車内で時間が余ってかつ他に手持ちの本がなく、座れなかったから寝るわけにもいかず、たのみのウォークマンは電池切れだった。
という状況下だったので読み終えました。
不快。
とても不愉快。
平行して読んでいたのがDV加害者を巡るルポだっただけにひたすら不快。
けどまあ、こういう最低男を主役に据えるというのもアリだよねと自分を納得させて読んでいく。
読んでいく。
読んでいく。
読み終わってしまう。
・・・オチはどこ?
「さる作家にのめり込むDV野郎の私小説」という体裁なんですが、どこまで本当なんだか。
「あとがき」も本当の後書きなのか作中に出てくる全集のあとがきなのかよくわからない。
著者紹介にも現在全集編纂中とか話の主人公と同じことがかかれているし。
こういうの、好きじゃないです。
遊びならOKなんだけど、題材が題材だし(筆者にとってはDVはテーマじゃないかもしれないけれど)少なくとも遊びなら遊びとわかるようにしたほうがいい。
本当ならこんなもん出すな。
最初に書いておくべきですよ。
DVは犯罪ですとかこの物語はフィクションであり云々とかこの物語はノンフィクションですとか。
主人公は断罪されるわけでもなく、主人公のしていることはダメですよとかウソですよという注意書きもなく、なんの説明もなくDVがただある。
それがひたすらイヤ。
こんなのがぶんがくとみなされることも含めてひたすら不快。