馬脚チラリズム

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セクマイ的感想文置き場。本とか本じゃないものとか。

エリザベス・フェラーズ トビーとジョージシリーズ 創元推理文庫

 

1940年代に書かれたバディもの探偵シリーズ。

当時の現代小説だから舞台が古いけれど、人の描き方に古さがないから今読んでも違和感がない。

進歩的ってわけじゃなくて、普遍。

古典の名作を読むと人ってそうそう変わらないんだなって思う、あの感じ。

女だから年寄りだから犯人だからどうこうじゃなくて、そういった属性も含めてこの人だからこう考えてこう動いてる。

親子の問題なんかは現代にも通じそう。

 

で、これをセクマイ読みにカウントしたのは、主役コンビの関係性が良かったから。

ホモソーシャルじゃない。依存的じゃない。

探偵ものにありがちな「天才と凡人」「探偵役と案内役」「生活能力のない人とオカン」みたいな役割じゃない。

どちらが探偵(謎解き)役なのかすら読み進めるまでわからなかった。

 

読んだのがだいぶ前だから覚えていないだけかもしれないけれど、二人の関係や一緒にいるきっかけさえ明示されなかったような気がする。

いちいち理由をつけて免罪符にしなくても、助けが必要じゃなくても、ただ一緒にいる。

これはもう好き好んで一緒にいるだけなんだろうと思う。

まっとうに相手を心配したり大事にしたりする、この二人の距離がとても好き。

  

 

ひよこはなぜ道を渡る (創元推理文庫)

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その死者の名は (創元推理文庫)

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細工は流々 (創元推理文庫)

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猿来たりなば (創元推理文庫)

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自殺の殺人 (創元推理文庫)

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 読んだの:2008年3月頃